レンスターに南アの洗礼
- 2017/09/26
- 08:00
新戦力情報でPremiershipやTop14に触れた際に、同じ北半球リーグでも意図的に触れなかったのが、今季から南ア2チームが参戦したPro14。それは「Premiershipが異例の混戦」、「モンペリエが好スタート」と、各リーグ序盤の情勢について触れた際にも一緒でした。
所詮ブッシュリーグ、わざわざ触れるほどのリーグでもないということでしたが、このニュースには触れておかないといけないのかなという試合が、先週末に南アのブルームフォンテーンで行われました。
先々週から南アに遠征していたアイルランドのレンスターが、チーターズに19-38で敗れるという波乱があったためです。このスクリーンショットはアイルランドメディアからいただいたので、トップの写真はこの試合でハットトリックを決めたBarry Daly選手のトライが使われていますが、試合は最初からリードを許してそのまま敗れるという完敗でした。
チーターズはその前の週にも、ホームにイタリアのゼブレを迎えて、乱打戦の末に54-39で勝っていて、これが3戦目にして初めての勝利でした。
ただ、ゼブレは去年の、というか万年最下位チーム。ホームでここに勝てないと勝てる相手は(キングス以外)ありません。
それに対してレンスターはアイルランドの強豪チーム。2011~12、12~13年とチャンピオンズカップ(当時はハイネケンカップ)を連覇し、優勝は3回。Pro14も優勝4回、準優勝5回という、リーグきっての実力を誇る名門チームです。
アイルランド協会のクラブより代表強化という方針転換によって、優勝していた当時に比べると実力は明らかに低下していますが、それでも昨シーズンはリーグ戦2位、一昨シーズンはリーグ戦1位と、Pro12(当時)ではトップクラスの成績を残し、当然今季も優勝候補の一角。チーターズに敗れるまでは、開幕から3連勝と快調に突っ走っていました。
その強いレンスターに対する完勝は、ホームならどこが来ても勝利を計算できるという自信をもたらしたという点で、大きな意味を持つ勝利でした。
もちろん、レンスターはJonathan Sexton(右)選手やSean O'Brien(左)選手など、
ライオンズ組がまだ戦列に加わっておらず、ベストメンバーというにはほど遠い編成でしたが、それをいうなら今後も、着た半球の厳しい日程を考えたとき、ベストメンバーで南ア遠征を実施するチームは多くないはずですからね。
ということで暗闇の中で灯りが見えた感じのチーターズですが、目下4連敗というだけではなく、真っ暗闇の中を歩んでいるのがキングス。レンスターの南アでの初戦、試合真っ最中のNelson Mandela Bay Stadium、収容人員4万8千人。
この試合の入場者は公式発表では、どう数えたものか3,011人となっているんですが、これが3千人に見える人は眼科かどこか病院に行って診察してもらった方が良いでしょうね。
無人のスタンドを背景にShocking Turnout、ショッキングな観客数という見出しが躍ります。
この記事を書いたアイルランドの記者は、この日の観客数をキャパシティの1%程度、500人行くか行かないかと見積もっています。一部のチームの試合では千数百人程度の観客しか入らないことも珍しくない不人気リーグのことですから、彼らも少ない観客数には慣れていて、少ないだけならいまさら驚くことではありません。
しかし、そういう閑古鳥が鳴く試合は、舞台はたいてい数千人しか入らないスタジアムですから、それなりのスタンド風景になります。対してポートエリザベスは、2010年のFIFAワールドカップに備えて新設された最新鋭のスタジアムですから、立派なスタジアムと貧弱とさえいえない観客数のギャップは、ちょっとではなくシュールな光景。見慣れない記者としては唖然とするしかないわけです。
俺たちはひょっとしたらとんでもないチームをリーグに引き入れちゃったんじゃないか?といいたげな記事ですが、今ごろ気が付いても遅いよという話です。それにしてもキングスとサンウルブズを入れたばかりに、悲惨な集客数に陥ったSuper Rugbyに続くPro14での惨劇。こうなるとキングスはババ抜きのババ以外の何者でもありません。
一応、Pro14加入に際して申告されたキングスの集客実績は1試合7千人だったそうなんですが、このキングス-ハイランダーズ戦のスタンドを見てその申告数を信用するか?という話。気の毒に彼らは、私のブログの愛読者ではなかったようですね。
そのキングスの試合ではニュージーランドのパスポートを持つIsa Nacewa、Jamison Gibson-Park両選手のビザが間に合わず、ヨハネスブルク空港で入国を拒否されて本国に送還されるという事件もありました。
今年の1月16日以降、ニュージーランドのパスポート保持者は南ア入国に際してビザが必要になるという変更があり、それをレンスター側が知らなかったというお粗末でしたが、これも南アの洗礼の一種でしょう。
さらに輸送面でのトラブルなど、南アの洗礼をたっぷりと浴びたレンスターは、結局その週のキングス戦には、キャプテンのナゼワ選手と、スクラムハーフのギブソンパーク選手抜きで試合に臨む羽目になってしまいました。相手がキングスですから結果には影響がなかったですけどね。
こうして開幕3連勝を飾ったレンスターは、ポートエリザベスからケープタウンに飛行機で移動。、ここでもCian Healy選手が飛行機に乗れなかったというトラブルがあったようですが、これは南アの洗礼とは関係のない連絡ミスだったようです。
ケープタウンでのトレーニング風景ですが、なかなか良い雰囲気のグランドです。
キャプテンズラン直前までそこに留まってキングス戦でのダメージ、疲労回復を優先し、一部の代表選手を除くとほとんどの選手に経験がない標高1,400メートルの高地での試合に備えて、直前に移動する調整方法を取りました。
そしてキャプテンズランでは、いったんアイルランドに戻っていたナゼワ主将や、
ギブソンパーク選手も合流。南アでの2戦目を迎えることになりましたが、そこでもまた選手や同行記者団は、驚くしかない光景を目にすることになります。
所詮ブッシュリーグ、わざわざ触れるほどのリーグでもないということでしたが、このニュースには触れておかないといけないのかなという試合が、先週末に南アのブルームフォンテーンで行われました。
先々週から南アに遠征していたアイルランドのレンスターが、チーターズに19-38で敗れるという波乱があったためです。このスクリーンショットはアイルランドメディアからいただいたので、トップの写真はこの試合でハットトリックを決めたBarry Daly選手のトライが使われていますが、試合は最初からリードを許してそのまま敗れるという完敗でした。
チーターズはその前の週にも、ホームにイタリアのゼブレを迎えて、乱打戦の末に54-39で勝っていて、これが3戦目にして初めての勝利でした。
ただ、ゼブレは去年の、というか万年最下位チーム。ホームでここに勝てないと勝てる相手は(キングス以外)ありません。
それに対してレンスターはアイルランドの強豪チーム。2011~12、12~13年とチャンピオンズカップ(当時はハイネケンカップ)を連覇し、優勝は3回。Pro14も優勝4回、準優勝5回という、リーグきっての実力を誇る名門チームです。
アイルランド協会のクラブより代表強化という方針転換によって、優勝していた当時に比べると実力は明らかに低下していますが、それでも昨シーズンはリーグ戦2位、一昨シーズンはリーグ戦1位と、Pro12(当時)ではトップクラスの成績を残し、当然今季も優勝候補の一角。チーターズに敗れるまでは、開幕から3連勝と快調に突っ走っていました。
その強いレンスターに対する完勝は、ホームならどこが来ても勝利を計算できるという自信をもたらしたという点で、大きな意味を持つ勝利でした。
もちろん、レンスターはJonathan Sexton(右)選手やSean O'Brien(左)選手など、
ライオンズ組がまだ戦列に加わっておらず、ベストメンバーというにはほど遠い編成でしたが、それをいうなら今後も、着た半球の厳しい日程を考えたとき、ベストメンバーで南ア遠征を実施するチームは多くないはずですからね。
ということで暗闇の中で灯りが見えた感じのチーターズですが、目下4連敗というだけではなく、真っ暗闇の中を歩んでいるのがキングス。レンスターの南アでの初戦、試合真っ最中のNelson Mandela Bay Stadium、収容人員4万8千人。
この試合の入場者は公式発表では、どう数えたものか3,011人となっているんですが、これが3千人に見える人は眼科かどこか病院に行って診察してもらった方が良いでしょうね。
無人のスタンドを背景にShocking Turnout、ショッキングな観客数という見出しが躍ります。
この記事を書いたアイルランドの記者は、この日の観客数をキャパシティの1%程度、500人行くか行かないかと見積もっています。一部のチームの試合では千数百人程度の観客しか入らないことも珍しくない不人気リーグのことですから、彼らも少ない観客数には慣れていて、少ないだけならいまさら驚くことではありません。
しかし、そういう閑古鳥が鳴く試合は、舞台はたいてい数千人しか入らないスタジアムですから、それなりのスタンド風景になります。対してポートエリザベスは、2010年のFIFAワールドカップに備えて新設された最新鋭のスタジアムですから、立派なスタジアムと貧弱とさえいえない観客数のギャップは、ちょっとではなくシュールな光景。見慣れない記者としては唖然とするしかないわけです。
俺たちはひょっとしたらとんでもないチームをリーグに引き入れちゃったんじゃないか?といいたげな記事ですが、今ごろ気が付いても遅いよという話です。それにしてもキングスとサンウルブズを入れたばかりに、悲惨な集客数に陥ったSuper Rugbyに続くPro14での惨劇。こうなるとキングスはババ抜きのババ以外の何者でもありません。
一応、Pro14加入に際して申告されたキングスの集客実績は1試合7千人だったそうなんですが、このキングス-ハイランダーズ戦のスタンドを見てその申告数を信用するか?という話。気の毒に彼らは、私のブログの愛読者ではなかったようですね。
そのキングスの試合ではニュージーランドのパスポートを持つIsa Nacewa、Jamison Gibson-Park両選手のビザが間に合わず、ヨハネスブルク空港で入国を拒否されて本国に送還されるという事件もありました。
今年の1月16日以降、ニュージーランドのパスポート保持者は南ア入国に際してビザが必要になるという変更があり、それをレンスター側が知らなかったというお粗末でしたが、これも南アの洗礼の一種でしょう。
さらに輸送面でのトラブルなど、南アの洗礼をたっぷりと浴びたレンスターは、結局その週のキングス戦には、キャプテンのナゼワ選手と、スクラムハーフのギブソンパーク選手抜きで試合に臨む羽目になってしまいました。相手がキングスですから結果には影響がなかったですけどね。
こうして開幕3連勝を飾ったレンスターは、ポートエリザベスからケープタウンに飛行機で移動。、ここでもCian Healy選手が飛行機に乗れなかったというトラブルがあったようですが、これは南アの洗礼とは関係のない連絡ミスだったようです。
ケープタウンでのトレーニング風景ですが、なかなか良い雰囲気のグランドです。
キャプテンズラン直前までそこに留まってキングス戦でのダメージ、疲労回復を優先し、一部の代表選手を除くとほとんどの選手に経験がない標高1,400メートルの高地での試合に備えて、直前に移動する調整方法を取りました。
そしてキャプテンズランでは、いったんアイルランドに戻っていたナゼワ主将や、
ギブソンパーク選手も合流。南アでの2戦目を迎えることになりましたが、そこでもまた選手や同行記者団は、驚くしかない光景を目にすることになります。
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