1月26日にカナダ、バンクーバーで、2月3日にウルグアイ、モンテビデオで、カナダとウルグアイの間でホーム&アウェーで行われたアメリカ第2代表決定戦が決着しました。ウルグアイがトータルスコア70-60でカナダを破り、2015年大会に続いての連続出場を決めました。
ただ、アメリカ2はプールDに入るので、同じプールにはオーストラリア、ウェールズ、ジョージア、フィジーと強敵ばかり。唯一のアマチュア国になるウェールズには厳しすぎるプールですが、健闘を祈るばかりです。
過去8大会の全部に出場し、1991年にはベストエイトに進出した輝かしい経験を持つカナダはアメリカ予選での出場権獲得に失敗、アフリカ2、大陸間プレーオフ敗者、アジアオセアニアプレーオフ勝者との最終予選に、最後の望みをつなぐことになりました。
26日に行われた初戦、ホームのカナダとしては勝つことは前提、何点のリードを奪えるかという試合になるはずで、前半半ば過ぎには17-7までリードを広げましたが、そこからウルグアイの反撃に遭って、前半のうちに逆転されると、点の取り合いになった後半も、ウルグアイの大黒柱、Rodrigo Capo Ortega選手のこのトライなどで、
ウルグアイがリードを保って38-29、逆に9点差を付けて快勝。断然優位に立ちました。ホームで行われる第2戦、8点差以内なら負けてもワールドカップ出場が決まります。
そして昨日(日本時間では今日ですが)行われた第2戦、カナダは切り札DTH van der Merwe選手のトライで先制しますが、
アドバンテージがあるので、それぐらいで慌てる必要もありません。時間が経つにつれてウルグアイが反撃して逆転。終了間際にはファンデルメルバ選手の2トライ目、2戦シリーズでは3トライ目が生まれ、コンバージョンが決まれば逆転の場面もありましたが、そのキックが外れて終わってみれば32-31で連勝。入っていても大勢には影響がありませんでしたけどね。
ということでウルグアイが、最終予選を勝ち抜いた前回とは違って、アメリカ2としての出場を決めました。
前回大会のロシアとの間の最終予選決勝シリーズについては「
地球の裏側からのサプライズ 」、「
3大会ぶりの出場で死のプールへ 」などで紹介していますが、ウルグアイは見事にその経験を生かしたといえるのかも知れません。
その最終予選でのロシアに対する勝利に貢献し、その後代表を離れていた、ウルグアイ代表では唯一のワールドクラス、フランスのカストルで300試合以上に出場しているRodrigo Capo Ortega(左から2人目)選手の再合流も大きかったはずです。
気になるのは2015年大会にはワールドカップに出場しなかったオルテガ選手の今後。本番では大会中に38歳の誕生日を迎えるベテランは2019年にはどこにいるつもりでしょうね。
そして日本大会では唯一のアマチュアチームになるはずのウルグアイに対して、このVilla Parkで経験したような、スタジアムを覆うようなウルグアイコールが送られることがあるでしょうか。
一方の破れたカナダはどうしちゃったんでしょうね。何年か前までは有望若手選手をプロ、あるいはその卵としてウェールズの組織的に派遣したり、期待のプロップ、Djustice Sears-Duru選手を
レスターのアカデミーに派遣したり、最終的には国内のプロ化をにらんだような動きがあったんですが、最近はそんな動きも見られず、もう7人制に特化することを決めたかのようです。
大事な決定戦の当日にも、2015年大会の中心メンバーで、全試合に10番で出場したNathan Hirayamaや、
まだまだ必要な戦力だと思われるJohn Moonlight、Harry Jonesといった選手がいたのは、はるか離れたシドニーやハミルトン。セブンズ代表の方です。
そのカナダ代表の監督はウェールズ出身の、Kingsley Jones監督。長いコーチ歴を持っていますが、実は2011年から14年まではロシア代表の監督。2015年の最終予選gが行われた時期には辞任して、ウェールズのドラゴンズのアシスタントコーチに転身していました。そのとき後を託したのがRaphael Saint Andreさんで、名前から判断できるようにフランス代表の元監督、Philippe Saint Andreさんの弟です。
そのときにサンタンドレ人脈を頼ったように、ジョーンズ監督の指導者としての唯一の栄光が、サンタンドレ(前列右端)監督の下、Jason Robinson(中央)選手を擁して、アシスタントコーチとして経験したPremiership優勝。
Embed from Getty Images 前列の左端がジョーンズコーチ(当時)です。
ジョーンズ監督が後を託したラファエル監督率いるロシアがウルグアイに敗れたわけですが、ジョーンズ監督は決戦を前に、また悪手を打っていました。今度は弟さんではなくお兄さんの方にSOSを発信していました。
急きょ、カナダ代表のアドバイザーとしてカナダ入りすることになり、久しぶりに記者に囲まれたサンタンドレさん。使われている写真は2015年のものですけどね。このときにフランス代表のことについてもいろいろ語ったわけですが、いってみれば2世代前ぐらいの過去の人ですから、良いアイデアや作戦が出てくるはずもありません。
カナダが最終的に墓穴を掘ったのは、このSOS発信だったかも知れません。
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