シンガポールがトップリーグへ?
- 2016/04/24
- 18:30
シンガポールでは4月15、16の両日、シンガポールセブンズが行われたことはご承知の通りですが、それに合わせてWorld RugbyのBernard Lapasset会長などの要人がシンガポール入りしていました。森喜朗前会長の鞄持ち、

じゃなかった、ワールドカップ組織委員会事務局長からアジア協会会長に就任したばかりの徳増浩司氏もそのひとり。日本が安易に、ジュニアジャパンのアジア選手権への出場が認められると考えていたのも、この人がそういう職務に就いていたからでしょうけどね。
その徳増氏が現地での記者会見で、
「日本が南アフリカに勝てたのはトップリーグがあったから」
とした上で、世界ランキング33位の「シンガポールが同じことを考えるなら、強い国内リーグを持つか、強い国際リーグに参加する必要がある」と持論を展開。さらに
「シンガポールが強い国内リーグを作れない場合、近隣諸国と国際リーグを形成することもできるし、あるいはトップリーグに参加することもできる。

とリップサービス。
シンガポール協会のLow Teo Ping会長もすかさず、
「トップリーグに海外のチームが参加したことはないが、シンガポールが最初のチームになるかも知れない。
とすっかり乗り気です。そんなことになったら、香港や韓国も手を上げることは確実ですが、シンガポールとしてはサンウルブズつながりで自信を深めているということなんでしょう。
だけど徳増さん、こんなことを言って大丈夫なんですかね。トップリーグは協会の下部組織という位置付けではあっても、協会が思い通りにできる組織でもないでしょう。サンウルブズに関するゴタゴタも、協会とリーグ、チーム、選手の間の意思疎通不全から起こっているわけですしね。
トップリーグはかつての「企業スポーツの最高峰を目指す」という看板は知らない間に下していましたが、実態は依然として企業スポーツ。プロリーグではありえない大阪府警のようなチームまで、入替トーナメントに出てきますしね。大卒選手の就職先確保のためなのか、現役選手のためなのか、規模からすると多すぎる16チームによる護送船団方式も健在です。
まず、そのトップリーグがあったから南アフリカに勝てたという認識が問題で、私などはエディジャパンの南ア打倒は、代表選手をある程度はトップリーグから切り離すことに成功したことによってもたらされたと考えています。
ただ、トンプソンルーク選手以下、中核戦力になった外国出身選手はトップリーグがなければ日本代表資格を得られていないわけで、そこは認めるべきかも知れません。しかし徳増会長、そのトップリーグの国際リーグ化、つまりプロ化を実現する具体策をお持ちなんでしょうか。あるいはそういう構想がトップリーグの中で支持されているんでしょうか。
それなしにこんな発言をしちゃうと、後で大変なことになりそうな気もしますね。「いやあ、あれはただのリップサービス、In the futureと断っているし」ということかも知れませんが、10年後だって1年後だってIn the futureですからね。
シンガポールがアイランダーによる代表強化に舵を切ったことは「立ちはだかったAsia Pacific Dragons」あたりで書きました。その後、政府の移民政策変更などがあって方針は微修正されたかも知れませんが、方向としてはアイランダープロ選手による強化です。
2019年ワールドカップ成功という大目的に加えて、15人制代表の強化とアジア選手権に出場する準代表の編成、男女セブンズの強化と、ワールドシリーズフル出場、今でさえ手に余る大荷物を抱えているのに、それに加えてトップリーグのプロ化となると、これに荷物をもう1、2段乗せたぐらいですか。

そして、そういうタイミングで日本協会副会長、World Rugbyでも理事会メンバーだった矢部達三氏の3月末での退任が発表されました。

正直なところ、具体的にどういう方なのかは存じ上げませんが、改革の方向に旗を振っておられた方なんだろうな、とは推測しています。何かあったんでしょうかね。

協会は理事選任にあたっては70歳以下であることという規約を持っているので定年退職ということなんでしょうが、サンウルブズ運営企業の理事も9月でお辞めになるとのこと。そして、替わってWorld Rugbyの理事会メンバーになることが発表されたのが河野一郎氏。今となっては懐かしい顔ぶれですね。

「新国立ドタバタ劇場」で取り上げた一件で、JSC(日本スポーツ振興センター)から返品されて来たと思っていましたが、東京五輪組織委員会副会長も兼ねて、使えない人ほど出世する見本のような人事になりました。

なんとか転覆しないことを祈りたいと思います(笑)。

じゃなかった、ワールドカップ組織委員会事務局長からアジア協会会長に就任したばかりの徳増浩司氏もそのひとり。日本が安易に、ジュニアジャパンのアジア選手権への出場が認められると考えていたのも、この人がそういう職務に就いていたからでしょうけどね。
その徳増氏が現地での記者会見で、
「日本が南アフリカに勝てたのはトップリーグがあったから」
とした上で、世界ランキング33位の「シンガポールが同じことを考えるなら、強い国内リーグを持つか、強い国際リーグに参加する必要がある」と持論を展開。さらに
「シンガポールが強い国内リーグを作れない場合、近隣諸国と国際リーグを形成することもできるし、あるいはトップリーグに参加することもできる。

とリップサービス。
シンガポール協会のLow Teo Ping会長もすかさず、
「トップリーグに海外のチームが参加したことはないが、シンガポールが最初のチームになるかも知れない。
とすっかり乗り気です。そんなことになったら、香港や韓国も手を上げることは確実ですが、シンガポールとしてはサンウルブズつながりで自信を深めているということなんでしょう。
だけど徳増さん、こんなことを言って大丈夫なんですかね。トップリーグは協会の下部組織という位置付けではあっても、協会が思い通りにできる組織でもないでしょう。サンウルブズに関するゴタゴタも、協会とリーグ、チーム、選手の間の意思疎通不全から起こっているわけですしね。
トップリーグはかつての「企業スポーツの最高峰を目指す」という看板は知らない間に下していましたが、実態は依然として企業スポーツ。プロリーグではありえない大阪府警のようなチームまで、入替トーナメントに出てきますしね。大卒選手の就職先確保のためなのか、現役選手のためなのか、規模からすると多すぎる16チームによる護送船団方式も健在です。
まず、そのトップリーグがあったから南アフリカに勝てたという認識が問題で、私などはエディジャパンの南ア打倒は、代表選手をある程度はトップリーグから切り離すことに成功したことによってもたらされたと考えています。
ただ、トンプソンルーク選手以下、中核戦力になった外国出身選手はトップリーグがなければ日本代表資格を得られていないわけで、そこは認めるべきかも知れません。しかし徳増会長、そのトップリーグの国際リーグ化、つまりプロ化を実現する具体策をお持ちなんでしょうか。あるいはそういう構想がトップリーグの中で支持されているんでしょうか。
それなしにこんな発言をしちゃうと、後で大変なことになりそうな気もしますね。「いやあ、あれはただのリップサービス、In the futureと断っているし」ということかも知れませんが、10年後だって1年後だってIn the futureですからね。
シンガポールがアイランダーによる代表強化に舵を切ったことは「立ちはだかったAsia Pacific Dragons」あたりで書きました。その後、政府の移民政策変更などがあって方針は微修正されたかも知れませんが、方向としてはアイランダープロ選手による強化です。
2019年ワールドカップ成功という大目的に加えて、15人制代表の強化とアジア選手権に出場する準代表の編成、男女セブンズの強化と、ワールドシリーズフル出場、今でさえ手に余る大荷物を抱えているのに、それに加えてトップリーグのプロ化となると、これに荷物をもう1、2段乗せたぐらいですか。

そして、そういうタイミングで日本協会副会長、World Rugbyでも理事会メンバーだった矢部達三氏の3月末での退任が発表されました。

正直なところ、具体的にどういう方なのかは存じ上げませんが、改革の方向に旗を振っておられた方なんだろうな、とは推測しています。何かあったんでしょうかね。

協会は理事選任にあたっては70歳以下であることという規約を持っているので定年退職ということなんでしょうが、サンウルブズ運営企業の理事も9月でお辞めになるとのこと。そして、替わってWorld Rugbyの理事会メンバーになることが発表されたのが河野一郎氏。今となっては懐かしい顔ぶれですね。

「新国立ドタバタ劇場」で取り上げた一件で、JSC(日本スポーツ振興センター)から返品されて来たと思っていましたが、東京五輪組織委員会副会長も兼ねて、使えない人ほど出世する見本のような人事になりました。

なんとか転覆しないことを祈りたいと思います(笑)。
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